ジーンは遺伝子、ファームは農場を意味する言葉です。私たちの目指すジーンファームは、紀南地域の固有種を保存し、増殖や保護に取り組むための採取用母樹林としての機能を持つ植物園です。ただ遺伝子を保管する貯蔵庫ではなく、美しさを鑑賞してその価値を多くの人に共有してもらえる場所を作ろうとしています。
樹木甚兵衛では、小森川保存林という名称で2021年2月に、この整備計画をスタートさせました。
小森川集落
小森川保存林のいちする古座川町小森川集落は、2023年現在、一世帯一名のみが居住しています。古座川の支流である小川(こがわ)の最も上流に位置する、名勝瀧の拝よりもさらに奥地に位置する僻地の限界集落です。
僕はこの小森川の奥地が世界で最も美しい場所だと思っています。
この風景をまもり次の世代へと引き継いでいくための活動に、ぜひみなさんの力を貸してください。
ビジターセンター
小森川ジーンファームでは【小森川ビジターセンター】の建設を予定しています。
主な活用方法として、これまで樹木医として業務に使用するために収集してきた植物や環境、農業、林業、木工、造園などの分野にける専門的な書籍や資料、光学顕微鏡などの特別な機材を、一般の方にも広く活用していただくこと。小森川保存林の整備作業をするときの休憩スペースやイベントスペースとして活用すること。奥番トレッキングの際の中継基地として、トイレやWi-Fiなどの設備を提供すること。その他事務所、宿泊機能などを中心に考えています。
地域の人たち自然と触れ合い、自然科学を学ぶ生涯学習の場として、誰にでも広く活用してもらえるように整備していきたいと考えています。
この計画に賛同し、資金面での援助をしてくれる方を募集しています。
なぜ小森川集落なのか?
活動の中心となる場所を小森川集落に決めたとき、多くの人は「なぜそんな僻地を選ぶのか?」と聞いてきました。確かに経済性を考えた場合、小森川の様な僻地で人を集めることが難しいことは困難であり、それはつまり経済的に不利であることを意味しています。そのような質問をされることも十分に理解できます。
樹木医甚兵衛が最も大切にしたのは、経済性ではありません。「ヒトではなく、クマノザクラのことを第一に考えたから。」理由はそこにあります。クマノザクラの保護を考えたとき、’染井吉野’やオオシマザクラ、’河津桜などの’外来のサクラとの交雑の心配が少ない隔離された状況を作り出す必要があると考えました。
そしてもうひとつは、護るべき文化がそこにあったことです。小森川集落は、小川流域の最も上流に位置する集落であり、神玉神社という神社が鎮座します。そこでは毎年12月5日に 鯛釣り祭り という特殊な神事が営まれていますが、過疎化によって継続を断念されている時期がありました。樹木医甚兵衛では、鯛釣り祭りの実施を支援し、自然だけではない文化の保護にも努めています。
左:協力者の野口貢盟さん
右:樹木医の矢倉寛之
あがらの桜をまもるんや!
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クマノザクラとクマノビト 書籍販売
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